甘え、期待、苛立ち。
「バットマンビギンズ」を観た。続けて「ダークナイト」を観た。途中で停止ボタンを押してしまった。
私はとても影響されやすいタイプの人間で、それを繊細だとか感受性が豊かだとかなんて言うのかはよくわからないけれど、とにかく、バッドマンシリーズを観たら精神がやられてしまった。
悪が、人間の悪の部分が、もうこれでもかっていうくらい描かれていて、まずここでめちゃくちゃ気が滅入った。
お口直しに楽しい映画でもみようと思い「スラムドッグ$ミリオネア」を再生。
スラム育ちの青年がどんどんクイズ解いていってオォーースゲェーースカーーッハッピーー!ってやつだと思っていたらまあまあな大違いで、スラム街で生まれた子どもたちの過酷な生活と残酷な運命が丁寧に丁寧に描かれていてさらに気を病んでしまった。
完全に選択ミスだ。
人間はクソだし世界は汚い。無理。
ひと通り嫌〜なお気持ちに浸ってさぁ寝よう、というところで次に襲ってくるのが数々の残虐なシーン。
私は普段あたたかいヒューマン系の映画しか観ないのでそういうシーンへの耐性がまじでない。
人が痛めつけられるシーンや殺されるシーンが脳裏をよぎりによぎり怖くて眠れない。
よし、好きな人の顔でも思い浮かべて心を落ち着かせようと思うも、顔がうまく思い浮かべられない。
なんかこわいかんじの顔にすり替わる。
もうお手上げだ。今日は怖い夢を見る覚悟で眠りにつこう。
諦めたそのとき、寝てしまったとばかり思っていた恋人からラインが。
ここで、ここで甘えが出てしまった。
大のオトナが映画をみてこわくて眠れないなんてダサすぎる、というか呆れる。
せめて自分でどうにかするべきだ。
なのに、恋人に助けてもらいたい、共有したい、頼りたい、という完全にダメな甘え欲がふつふつと湧き出てしまった。通話ボタンを押す私。
恋人「もしもし?…え?電話してきたのそれが理由?ごめん今友達といるから電話無理だわ。ラインでなら相手できるから」
私「ラインならいい。わかったおやすみ」ピッ
追い打ちを食らった。
まじで、まじで電話したことを後悔している。
そのあともラインくれたよ、「大丈夫?」とか、気を紛らわせるように楽しい話してくれたりね。
彼は優しいと思う。
でも、私がしてほしいのはそういうのじゃなかった。
電話で、文字じゃなくて言葉で発したかった。
こういうのを観て、こう思って、こわくて、あなたの顔も思い浮かべられなくて、、、
それをうんうんって聞いてほしかった。
恐怖心を吐き出させてほしかった。
彼は彼なりに最善の対応をしてくれたと思う。
だから彼の対応に対して、自分の思い通りにいかなかった苛立ちをぶつけてしまった自分に怒りが湧いてくる。
勝手な期待を押しつけて、彼なりの優しさを受け取れない自分が嫌になる。
甘えてるなぁ、自分。
自立してよ、精神的に。頼むよ。
穏やかな人間になりたい。